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リファレンスデザイン

2011 年 3 月

LED街灯用ランプバラスト

TDK-EPCは、STマイクロエレクトロニクス社と共同でLED街灯照明用ランプバラストのリファレンスデザインを開発しました。コンデンサ、バリスタ、インダクタといった主要電子部品はすべてTDK-EPCが提供しています。本リファレンスデザインの出力電力は130W、出力電圧は48Vです。

 

LEDは高効率・長寿命という特長をもつことで知られています。このため近年、照明用途に広く利用されるようになり、照明技術分野では技術革新の原動力と考えられています。というのも、LEDは屋内・屋外用ランプの消費電力の低減に大きく貢献するからです。このことは、効率性や寿命、メンテナンス、消費電力がトータルコストの削減に大きな役割を果たす街灯照明に特に当てはまります。LEDを確実にメンテナンスフリーで運転できるようにするには、これに対応するランプ用バラストも、LED本体と同様に高効率かつ長寿命でなければなりません。

 

2ステージで構成されるリファレンスデザイン

TDK-EPCとSTマイクロエレクトロニクス社が新たに共同開発したリファレンスデザイン(図1)は、STマイクロエレクトロニクス社のL6562ATコントローラを搭載したフロントエンドPFC(力率改善)ステージと、L6599ATパワーICをベースとするLLC共振コンバータの2ステージで構成されています。

 

図1:主要整流回路基板、PFCステージ、共振コンバータ
フィルムコンデンサを使用することで、極めて高い信頼性と長寿命を確保することができる。

 

本リファレンスデザインの主な特性は、90%を超える極めて高い効率性と、AC電圧85V~305Vの広い対応入力電圧範囲、そして高信頼性と長寿命です。電源の信頼性、すなわち平均故障間隔(MTBF)は、使用する電解コンデンサの故障率に大きく左右されるため、本リファレンスデザインでは、電解コンデンサを使用せずにフィルムコンデンサのみを使用してDCリンク回路での平滑化や蓄電を行うという、革新的なアプローチを採用しています。開発にあたっては、部品のディレーティングも考慮し、MIL-HDBK-217D(米国防総省制定の計算モデル)に準拠して負荷削減を図りました。STマイクロエレクトロニクス社の新集積回路L6562AT および L6599ATを使用することで、能動部品の搭載数も最小限に抑えることができ、MTBFの向上と同時に部品のトータルコストの最適化を実現しています。これら高効率な回路により、PFCステージで必要になるのは小型のヒートシンクのみです。さらに、本リファレンスデザインではあらゆるステージでの過負荷、短絡、開路動作や、入力過電圧に対して保護機能が動作します。システムは故障後自動的に再始動します。

 

主な特性

  • 欧州規格のAC入力電圧範囲を85Vから305Vまで拡大(周波数45Hz~55Hz)
  • 出力電圧は48V(2.7A)
  • EPCOS製フィルムコンデンサにより長寿命を実現
  • EN61000-3-2規格クラスCに準拠した電源高調波
  • 定格負荷90%超の高効率性
  • EN55022 規格クラスBおよびEN55015規格に準拠した電磁適合性(EMC)
  • 安全性の面では、EN60950規格、SELV(安全特別低電圧)レベルに準拠した二重絶縁

 

ステージ1:PFC回路

遷移モードで動作するPFCステージは、共振ステージに450 Vの電圧を供給する事前コントローラの役割を果たします。PFC電源ステージは、従来のブーストコンバータをブリッジ整流器の出力端に接続したものです。これに加えて、ブーストインダクタ、整流ダイオード、出力コンデンサを搭載しています。PFC出力コンデンサには、静電容量5 µF(電圧800 V)のEPCOS製フィルムコンデンサを採用、MOSFETがブーストスイッチとして動作します。さらに、回路基板は、ブーストステージで生じる干渉を取り除く入力EMCフィルタを備えています。力率改善は、外部アプリケーションの広範な温度条件に対応する、小型で低コストのL6562ATコントローラで行います。

 

ステージ2:共振コンバータ

他方、L6599ATコントローラは、バックコンバータにおいて重要な機能を果たします。共振コンバータの正確な制御に必要なあらゆる機能を備え、50%のデューティサイクルで安定動作し、制御パラメータとして周波数を用います。トランスには直列インダクタを使った複合磁気アプローチが使われ、これにより外部インダクタが共振を引き起こすのを防ぎます。二次巻線に対しては、センタータップ付きトランスとSTPS10150CGタイプのショットキー整流器を採用しています。ここでも、電圧の平滑化にEPCOS製フィルムコンデンサ(静電容量4.7 µF / 電圧63 V)が活躍します。出力部には小型LCフィルタを設置してRFリップルを低減し、フィードバックネットワークを介して、出力電圧の制御、安定化が図られています。図2に電源の完全回路図、表1に材料を示します。

 

図2:LED電源の完全回路図

 

 

表1:TDK-EPC製品の材料リスト

 

分類数値/タイプ, 寸法 (幅 ´ 高さ)/
RM(ラックマウント時) [mm] EIA 規格用
品名
C2470 nF - X29.0 x 18.0; 15MKP, B32922C3474K000
C3470 nF - X29.0 x 18.0; 15MKP, B32922C3474K000
C4470 nF - X29.0 x 18.0; 15MKP, B32922C3474K000
C55 µF14 x 31.5; 27.5MKP, 800 V, B32774D8505K000
C65 µF14 x 31.5; 27.5MKP, 800 V, B32774D8505K000
C75 µF14 x 31.5; 27.5MKP, 800 V, B32774D8505K000
C101 µF1206MLCC, 50 V, X7R, C3216X7R1H105KT
C1310 µF1210MLCC, 25 V, X7R, C3225X7R1E106M
C174.7 µF7.8 x 7.8; 5MKT, 63 V, B32529D0475M000
C184.7 µF7.8 x 7.8; 5MKT, 63 V, B32529D0475M000
C2015 nF5 x 18; 15MKP, 1000 V, B32652A0153K000
C24

4.7 µF

0805MLCC, 6.3 V, X5R, C2012X5R0J475KT
C25470 pF0805MLCC, 50 V, COG, C2012C0G1H471JT
C3010 µF1210MLCC, 25 V, X7R, C3225X7R1E106KT
C4010 µF 2220MLCC, 50 V, X7R, C5750X7R1H106M
RV1300 V AC15 x 5; (奥行き´ 幅), 7.5金属酸化物バリスタ, B72214S0301K101

 

効率性測定

表2は、異なる負荷がかかった230 V / 50 Hz および 115 V / 60 Hz時のAC電源電圧における総合効率を示しています。電圧115 Vの全負荷状態時では、総合効率は90.96%でしたが、230Vでは93.39%に上昇しました。25%、50%、75%、100%の負荷をES-2基準にかけた場合の効率性を測定し、その平均効率を算出すると、230V時で91.04%、115V時で89.52%という結果になりました。このことは、コンバータが全負荷状態の場合だけではなく、明るさをかなり抑えたLEDのような低負荷の場合にも、高効率で動作できることを示しています。

 

表2:異なる負荷をかけた場合の効率性

 

230 V, 50 Hz115 V, 60 Hz
試験条件Vout
[V]
Iout
[A]
Pout
[W]
Pin
[W]

η

[%]

Vout
[V]
Iout
[A]
Pout
[W]
Pin
[W]

η

[%]

25% 負荷47.580.68932.837.8786.5747.590.68932.837.8786.58
50% 負荷47.571.37865.671.6691.4847.581.37865.672.9389.90
75% 負荷47.562.00895.5102.9692.7547.562.00195.2105.090.64
100% 負荷47.552.708128.8137.693.3847.562.703128.6141.3390.96
平均効率性91.0489.52
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