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携帯電話の機能追加を実現するSAWコネクティビティ・マルチプレクサ

2010 年 1 月

マルチコネクティビティ

EPCOSは、最も重要な無線サービスと伝送プロトコルをサポートする、超小型SAWコネクティビティ・マルチプレクサを開発しました。この新開発のコンポーネントがあれば、携帯電話の中にさらに多くの機能を実装できます。

 

かつて音声通話専用だった携帯電話は、今や広範なサービスを提供し、各種の伝送プロトコルをサポートするようになりました。これに関連する無線テクノロジーは一括して「コネクティビティ」と呼ばれるようになり、コンプリメンタリ無線テクノロジーとしても知られています。


現在では携帯電話メーカーの約半数が、FM受信機とブルートゥース(BT)インターフェースを搭載しています。スマートフォンでは今やGPSとWLANは標準になっています。今後数年内に、中間価格帯の携帯電話でもGPSとWLANが広く行き渡ると期待されています(図1)。

 

 図1:携帯電話における各種コネクティビティの市場浸透度の予測

 

ブルートゥースとFMラジオに加えて、GPSも中間価格帯の携帯電話に大きく浸透することが予測されています。

 

このような無線コネクティビティ・テクノロジー向けのICを製造する大手メーカーは、各種コネクティビティ標準をサポートするICをシングルチップに統合したコンボICの提供を始めています。コンボICは、コストを削減するだけでなく、各種コネクティビティ・ソリューションが要求する実装面積も大幅に削減できます。


最近、半導体メーカーによって市場に投入されたコンボICの中で、最も多い組み合わせは次のとおりです。

  • ブルートゥース(BT)+FM
  • ブルートゥース(BT)+FM+GPS
  • ブルートゥース(BT)+FM+WLAN


さらに、チップセットのトップメーカーの中には、携帯用の無線通信ICにGPSとBTを標準機能として組み込んでいるところもあります。


ICチップへの統合に加え、フィルタとRFフロントエンドのセクタではさらなるサイズ削減の可能性が追求されつつあります。これによって部品点数をさらに削減し、コネクティビティ・ソリューションをもっとシンプルにできる可能性があります。


この目的のために、EPCOSは、複数のフィルタ機能をひとつのパッケージに集約したSAWフィルタ向けマルチプレクサ(SAWマルチプレクサ)を開発しています。図2に、GPSとBTを集約したマルチプレクサを図示します。EPCOSのGPS-BTデュプレクサ「LU33」(パッケージ・サイズは2016)は、GPSとブルートゥースの2つのSAWフィルタだけでなく、この2つを多重伝送するデュプレクサをも組み合わせて、単一のアンテナに出力します。この集約により、必要なディスクリート・フィルタブロックの部品点数だけではなく基板スペースも削減します。さらにアンテナを追加するコストも削減できます。また、回路基板の半田付け回数も削減されるため、基板実装コストを削減し、MTBF(故障するまでの平均動作時間)を改善することができます。

 

 図2:統合フィルタ・ソリューションのブロック図

 

BTとGPSフィルタおよびマルチプレクサを単一モジュールに統合することで、部品点数を削減し、アンテナを1本削減。

 

この新開発の無線接続用デュプレクサは、EPCOSの携帯通信用デュプレクサに使われている実証済みのLTCCテクノロジーを使用しています。このデュプレクサは、2つのSAWフィルタとダイプレクサ、という3つの基本機能をシングル・パッケージに統合したものです。ダイプレクサは、デュプレクサがサポートする2つの周波数帯域のアンテナ信号をさらに分割する周波数分配器です。


図3にBT-GPSデュプレクサの基本構成を示します。このデュプレクサには、2つのフィルタ機能を1つのシングルSAWチップに組み合わせた2in1チップが格納されています。LTCC基板には、SAWコンポーネントを保護するためにアンテナ入力で必要なESD(静電気放電)保護だけでなく、SAWフィルタ用のインピーダンス整合部品が統合されています。SAWマルチプレクサは、あらかじめトランシーバーのインピーダンスに同調させてあるため、導入が容易となります。RF用の整合コンポーネントがLTCC基板に統合されているため、RFソリューションの再現性が継続的に確保できます。従来のディスクリート・ソリューションに比べると、基板スペースは、回路トポロジーに応じて50~80パーセント削減できます。

 

 図3:BT-GPSデュプレクサの基本構成

フィルタ機能とデュプレクサ機能に加えて、マッチングネットワーク機能とアンテナ側のESD(静電気放電)保護機能も単一モジュールに統合します。

 

携帯電話の周波数帯域デュプレクサに関して、コネクティビティ・デュプレクサにおいては、多重化した周波数帯域同士のアイソレーションを高くとることも重要です。特にGPS受信機がWLANやBTの伝送信号で妨害されてはいけません。図4の減衰曲線は、LU33のBTおよびGPSパスのアイソレーションを示しています。

 

 図4:LU33のフィルタ選択曲線

 

このグラフではBTパス(赤)とGPSパス(青)の減衰特性が示されています。GPSでは1.5 dB未満、BTでは2.5 dB未満の低い挿入損失によって、高度な受信感度と低い電源消費量を実現します。

 

EPCOSでは、コネクティビティ・テクノロジーの将来的な用途のために、コンボICを包括的にサポートするSAWマルチプレクサの新たな製品シリーズを開発中です。この計画中の製品シリーズの概要を次の表に示します。この新製品は、ディスクリート・コネクティビティ・ソリューションを簡略化するために顧客が活用できるだけでなく、将来的にはTDK-EPCが提供するモジュール・ソリューションに組み込まれます。

 

LU33およびLT36デュプレクサは、2.4 MHzのISMと組み合わせるGPS向けに設計されています。この2つのデュプレクサの基本的な違いは、LU33がブルートゥースのパワークラス1.5(最大Txパワー+15 dBm)を処理できるのに対し、LT36は、最大+23 dBmのWLANパワー向けに設計されていることです。LU39およびLU58モジュールは、デュアルバンドWLAN用途向けに開発されています。LU39トリプレクサは、1本のアンテナでGPSと2つのWLANバンドの受信ができます。B9100およびB7742マルチプレクサは、GPSがすでに集約されている携帯受信機に適しています。

 

表:コンプリメンタリ無線コネクティビティ用途のSAWマルチプレクサ製品シリーズ

 

EPCOS
部品番号
パッケー
ジ・サイ
製品タイプサポートする周波数帯域
LU332016GPS-BT duplexerGPS, WLAN LB (incl. BT)
LT362025GPS-WLAN duplexerGPS, WLAN LB (incl. BT)
LU393025GPS-WLAN triplexer

GPS, WLAN LB (incl. BT), WLAN HB

LU582016WLAN duplexerWLAN LB (incl. BT), WLAN HB
B91002025GPS cellular triplexerGPS, Cell LB, Cell HB
B77422025GPS cellular extractorGPS, Cell LB, Cell HB

 

 

GPS1571 MHz
WLAN LB2400 to 2500 MHz
WLAN HB5150 to 5850 MHz
Cell LB800 to 900 MHz
Cell HB1800 to 1900 MHz

 

著者:
Dr. Patric Heide, Director Complementary Wireless Solutions
Bernardo Knoblich, Product Marketing Manager for Connectivity SAW Products

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